一日中使えるgetの用法


まずは確認、GETの基本

get という動詞には「所有する」、「ある状態になる」、「理解する」などの中心的な意味がある。まずそのうちの「所有する、手に入れる」という意味に着目して、この動詞の使い方をマスターしよう。

  • I've got a bad habit of sleeping late.
    (寝坊の悪い癖がついちゃってるよ)
  • I'm sorry, but I didn't get your name.
    (すみません、お名前が聞き取れなかったのですが)
  • I got the flu from Bill.
    (ビルからインフルエンザをうつされちゃった)
  • I got a letter of complaint from one of our customers.
    (顧客の一人から苦情の手紙を受取った)
  • Did you get the idea of this project?
    (この企画の見当はつきましたか)
  • I got the impression that the boss is in a bad mood.
    (上司は機嫌が悪いという印象を受けたよ)
  • Please get the phone.
    (電話に出てくれ)
  • I have to go and get a present for my wife.
    (妻のためにプレゼントを買いに行かなきゃ)

ここで挙げられている例文の中の get a letter of complaint (苦情の手紙を受け取る)や get the impression that (……という印象を受ける)、あるいは get some information (情報を手に入れる)などの使い方は文字どおり「入手する」ことなので分かりやすい。これらの例から、「手紙」のように実際に手にとれるものから「印象」のように抽象的なものまで、様々なものに関して「自分が所有するようになる/手に入れる」というイメージで捉えることができることが理解できるはずだ。

もう少しイメージを広げて、 go and get a present (プレゼントを買いに行く)は「店に行って贈るプレゼントを入手する」と考えれば納得がいくだろう。 get the phone (電話に出る)も「受話器を手に取る」と考えることもできるし、電話をかけてきた相手の「メッセージを受け取る」と考えることもできる。 get you a cup of coffee (コーヒーを入れる)ならキッチンへコーヒーを取りに行って「入手する」というイメージが描ける。もちろん、コーヒーメーカーにコーヒーが出来上がっているとは限らず、その場合は自分でコーヒーを煎れるということになる。 get the flu (インフルエンザにかかる)は「病原菌を受け取る」というイメージ。 from... になれば「……にうつされる」だ。また、「悪いくせがつく」も「習慣を自分のものにする」と考えて get a bad habit と表現できる。

最後に、 get the idea (見当がつく)は具体的なイメージを自分のものにするということだし、 didn't get your name (名前が聞き取れなかった)も相手が言ってくれた名前を受け取らなかったということ。これら2つは「考えを自分のものにする」→「理解するようになる」というイメージに近い表現だ。

以上のように、訳語で覚えるのではなく、 get という動詞のイメージをしっかりと掴んでおこう。


起床——布団から出るのが朝の大仕事 [get+前置詞/副詞]

今度は get の基本的なイメージに前置詞を結び付けることで、さらに意味の幅を広げていこう。動詞と前置詞の基本をきちんと押さえれば、多くの熟語表現も丸暗記せずに使いこなせるようになる。

A: Get up right away, or you'll miss the train.
(すぐに起きなさい、じゃなきゃ電車に乗り遅れるわよ)
B: I can't move till I've had my breakfast.
(朝ご飯を食べるまで動けないよ)
A: You can get something at the convenience store on the way.
(行く途中にコンビニで何か買えばいいでしょう)
B: But by the time I get to the office, there'll be no time to eat it.
(でも、会社に着くころには、それを食べる暇が無くなっているよ)

get には「ある状態になる」の意味があることは上で述べた。「手に入れる」も実は「手に持った状態になる」ということだ。では、 I get on the train at Shibuya and get off at Eifukucho every morning. (私は毎朝、渋谷で電車に乗り、永福町で降りる)の get on と get off はどうだろう。 on は「密着」、 off は「分離」を表す前置詞だから、 get on は足が乗り物にくっついて「乗った状態になる」こと、反対に get off はそこから離れて「降りた状態になる」ことを表す。この基本が分かれば、いくらでも応用できる。上のセリフにある get to the office (会社に着く)は「方向、到達点」を表す to と一緒になって「……へ到着した状態になる」という意味を表し、 get out of bed が「ベッドの外にいる状態になる」つまり「起き出る」を意味することになる。

これらの使い方の get には「移動」(乗り物の外から中へ/中から外へ、家から会社へ、ベッドの中から外へ、など)のイメージが含まれている。 get up が「起きた (up) 状態になる」ばかりではなく、「布団の中から外に」という移動のイメージを頭に描けば、同じ「起きる」でも wake up (目覚める)との違いも分かるだろう。 I woke up at 6:00 but didn't get up until 6:30. (私は6時に目が覚めたが、6時半まで起きなかった)となれば through (通って)や by (近くを、わきを)という前置詞との組み合わせによって、 get through 「間を通り抜ける」、 get by 「わきを通る」という表現ができるのも納得できるはず。 get down は「襲い掛かる」に似たイメージで、取り組まなくてはならない仕事に「手をつける」とことになる。

このように、 get (ある状態になる)と前置詞や副詞の基本的なイメージがわかれば、いろいろな応用が利くはずだ。

その他の「get+前置詞/副詞」の例文


午前中——ひたすらお仕事、快調快調! [口語表現]

  • Oh, no! I've got to finish this report by noon!
    (うわぁ!この報告書、昼までに書き上げなきゃいけないんだ!)
  • I've got it! I can ask the boss to extend the deadline.
    (分かったぞ!締切を延ばしてくれるように上司に頼めばいいんだ)

今度は会話でのみ使われる get の用法をみておこう。最初は「しなければならない」という意味を表す have got to だ。文章として書く場合には have to または must を使うのが普通だが、会話ではその言葉のリズムからか、 have got to が好まれる。ただ、決して have をそのまま発音することはなく、短縮形の 've の形になる。さらにその have を省略して got to を同じ意味で使うことも多い。発音する時には got to をひとまとめにして[ガラ]のようになるため、 I gotta go. (行かなくちゃ)や You gotta help me. (助けてくれよ)などのように、マンガのセリフや歌の歌詞では gotta と表記されることもよくある。

また get は「理解する」という意味でもよく使われる。日本語で「get の使い方を自分のものにする」などというのと同じ発想で、やはり「手に入れる」の派生的な意味になる。 I got it! (分かった!)の主語の I を省略して Got it! [ガリット]ということも多く、 Got it? (分かった?)と疑問形でもよく使われる。自分の言ったことが相手に理解してもらえたときには Got got it! (そうそう、その通りだ)のようなあいづちを打つ。

さらに Gotcha! [ガッチャ](= Got you) も「君の言うことを理解した」ということから「分かったよ、了解」の意味で使われる。これは「そら捕まえたぞ!」という意味になることもある。


昼休み——腹が減っては戦はできぬ [感情・状態の表現]

A: I got really hungry during the meeting. What are you going to get?
(会議の間にすごくおなかが空いちゃったね。何を食べるつもり?)
B: The curry noodle with tempura.
(カレー天ぷらうどんだよ)
A: You've got to be kidding. I got sick the last time I ate that.
(冗談だろ。この前、あれを食べたとき、僕、気持ち悪くなったんだよ)

前置詞との組み合わせによって、例えば get in が「中にいる状態になる」→「入る」のように表現できることは既に見たが、前置詞の代わりに形容詞を用いれば、簡単に「……になる」という感覚や状態を表現することができる。この機会に是非ともマスターしよう。

いくつかの例を挙げれば、 I got so hungry when I was watching a cooking program, but as soon as I got full, I got sleepy. (料理番組を見ていた時にとてもお腹が空いたけど、お腹が一杯になったとたん眠くなっちゃった)。 Don't get so nervous when you take an interview. (面接を受ける時にそんなに神経質にならなくてもいいよ)。少し想像力を働かせれば「車酔い」など難しそうな表現も I always get sick when I'm on the bus. (バスに乗っているといつも気分が悪くなる)と get で表現できる。

★感情表現例★get better (良くなる)get bored (退屈になる)get disappointed (がっかりする)
get excited (興奮する)get full (満腹になる)get hungry (空腹になる)get mad/angry (怒る/腹を立てる)
get nervous (不安になる)get puzzled (途方に暮れる)get relaxed (落ち着く)get sad (寂しくなる)
get sick (気持ちが悪くなる)get sleepy (眠くなる)  

ここで、get のイメージをより明確にするために、他の動詞と比較してみよう。例えば、 I am hungry. (私はおなかが空いている)と、 I get hungry. (私はおなかが空く)ではどうだろう。 be動詞を使った場合、それまで空腹であったか満腹であったかは関係なく、その時点で「おなかが空いた状態である」ということしかわからない。それに対して get を使った場合には、「おなかが空いていなかった状態から空いた状態へ」という変化が明確に表現できる。これは、それまで持っていなかった「空腹感」というものを「自分のものにした」と考えれば納得がいくだろう。

今度は I became sick. と I got sick. ではどうだろう。基本的にはどちらも「私は病気になった、気持ち悪くなった」という意味になり、大きな違いはない。だが、日本語でも「病気になる」と「病気にかかる」という表現があり、「かかる」の方が「ばい菌をもらう」というニュアンスが強いように、英語でも「手に入れる」という意味の get を使ったほうが「病気にかかる」というニュアンスが強く出せるのだ。

A: It's raining. We'll get wet going back to the office.
(雨が降ってるよ。会社に帰り着く前にびしょ濡れになっちゃうな)
B: No, we won't. I've got a fold-up umbrella.
(大丈夫だよ。おれ、折り畳み傘持ってるから)

感情や感覚だけではなく、形容詞を変えれば様々な状態を表すこともできる。通常の形容詞の代わりに、 excited や drunk のような過去分詞を用いることもでき、 excite (興奮させる)→ excited (興奮させられた)のように「……された」という受身的な意味を表す。よって、 I got excited. は「興奮させられた状態を手に入れた」→(自分が)「興奮した」、I got drunk. は「酔わされた状態を得た」→「酔っ払った」ということになるのだ。 Many people get drunk under the cherry trees in spring. (春になると多くの人が桜の木の下で酔っ払う)、 The plan you told me is a total mess. You should get more organized. (話してくれた計画はめちゃくちゃだな。もっと整理しなくちゃ)、 My mother had a surgery on her heart last year, but she got better now. (母親が去年心臓の手術を受けたんだけど、今ではもうよくなっている)

★状態表現例★get hot (暑くなる)get dirty (汚れる)get cool (涼しくなる)
get pale (青白くなる)get noisy (うるさくなる)get wet (濡れる)get drunk (酔っぱらう)
get nervous (不安になる)get puzzled (途方に暮れる)get relaxed (落ち着く)get sad (寂しくなる)
get sick (気持ちが悪くなる)get sleepy (眠くなる)  

午後——使い走りも仕事のうち [人を動かすget]

  • Get Jiro to prepare the room for the meeting.
    (次郎に部屋を会議用に準備させておけ)
  • Get that handout photocopied.
    (その配布資料をコピーしてもらっといて)
  • You should get that machine repaired.
    (その機械、直してもらわなきゃいけないな)

例えば I get mad. は「怒る」だが、 I get him mad. ならば「彼が怒った状態になるように私がする」ということで、普通の言い方をすれば「彼を怒らせる」ということになる。このように<get+人+形容詞>で、「〜に……させる」の意味を表すことができる。

同じような考え方で<get+物+過去分詞>という形を使えば「〜を……してもらう」という意味を表すことができる。 get the handout photocopied の場合であれば、「資料をコピーされた状態にしてもらう」というのが元々の意味で、そこから派生して「コピーしてもらう」ということになる。だから、それを命令文の形で使えば「コピーしておいてくれ」ということになる。同様に You should get that machine repaired. も「機械を直された状態にしてもらう」ということで、誰かに直してもらうのであって、自分が直すのではない。

このように誰かに何かをしてもらうという意味を get で表現することができるのだが、その誰かを特定して「……させる」と言いたい時には<get+人+to ...>という形を使う。例えば I'll get him to type this paper. なら「彼に書類をタイプしてもらう」だ。ただ、この表現には「説得して……してもらう、努力して……させる」というニュアンスがあり、「無理矢理させる」というニュアンスを持つ I'll make him type this paper. と若干異なる。


仕事の後——心のオアシス、アフター5 [イディオム]

A: It's really hard to get along with that new boss.
(あの新しい上司とうまくやっていくのは大変だよ)
B: I suppose we'll have to get used to him.
(彼に慣れていかなきゃいけないんだと思うけどね)

get を使ったイディオム表現をいくつか紹介しておこう。 get along with... は「(人)とうまくやっていく」という表現だが、 get along だけで「なんとかやっていく」という意味にもなる。 I think I can get along without your help. (あなたの助け無しでもなんとかやっていけると思います)また、 get used to は「……に慣れる」という意味。 get the knack of... というと「……のコツを掴む」で、 I got the knack of dealing with that kind of person. (ああいう人間とのつき合方のコツが掴めたよ)のようになる。その他にもいろいろあるが、いくつかの例を以下に挙げておこう。

初出:『Active English』(アルク) 1999年3月号